東京、14年。

慶應通信(経済学部)に入学、卒業までの軌跡を綴っています。

慶應通信のレポートについて(分量やスケジュール感のご参考まで)【2018~2020】

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スクーリングを除き慶應通信の単位取得は、「レポートの提出⇒科目試験合格」が基本的な流れとなります。つまり、とにもかくにも単位取得のトリガーとなるレポート提出が何より大事だということです。そもそもレポートを出さないと何も始まりません。僕自身、まだ卒論以外の卒業要件単位(116単位〔認定18単位を含む〕)をすべて取ったわけではありませんが、レポート自体はすべて合格済みです。この記事では卒業要件単位充足までのレポート分量やスケジュール感をざっくり共有します。おおよそのイメージとしてご参考いただければと思います。なお前提は、経済学部特別課程、3年で卒論以外の卒業要件単位(98単位)取得を目的とした履修計画を立てて進めた結果です。

 

仕事やプライベートなど、パーソナルな要因

参考にしていただく上で、僕固有の都合、つまり履修計画に影響を及ぼした他要因を共有しておきます。僕の場合、大筋は1年目が副業を充実させる年、2年目が転職の年、3年目が転職先の仕事に集中する年(今)です。そのため、特に1年目の前半はほとんど慶應通信に時間をあてることができませんでした。一方で2年目は転職活動と並行しつつも前職で有していた有給消化を有効活用し夏スクをフル出席するなど、割と慶應通信にパワーをかけた年です。そして3年目の今、転職して1年弱になりますがだいぶ仕事にも慣れ、仕事と勉強の両立を図っているところです。ちなみに副業の方はコロナ禍の影響もあり控えめに設定、4年目に大きく動こうと考えています。

慶應通信生は一般的な通学制の大学生と異なり、仕事をされている方や家事、子育てに勤しんでいる方など、スキマ時間で学びや研鑽に励む方がほとんかと思います。そのため、レポート作成にあたる時期はそれらの予定を踏まえて計画を立てなければなりません。ゆえに履修計画は大事だと思いますし、自身の事情を踏まえて計画を見立て、そのとおりに実行する力を養うことも非常に有益だと思います。

 

それぞれのレポートに対する所感 (メモ書き)

ここでは僕が着手したそれぞれのレポートについて粗々ですが一言メモを。各科目の総評自体は個別の記事にしていますが(下記参考)、ここではレポートの切り口で。

 

論理学

難易度高め。自分の場合、3回目でやっと合格しました。下馬評でレポート対応が大変とは聞いていましたが、如何せん3分野科目の人文科学分野は苦手意識が強く、論理学しか興味もわかなかったんですよね…。歴史とか文学とか哲学が好きな方は、そちらを選択するのもありかと思います。

経済学

経済学部の人は経済の基礎を学ぶ上でぜひ取っておきたい科目。というより、4単位科目かつ経済原論や経済政策学などの必修科目を取る上でシナジーが高いので単位取得効率化のため取っておくべき。レポート自体は課題設定も平易で採点も辛くはないのでそこまで苦戦することはないかと。逆に苦戦する人は基礎をしっかり学ぶべき。

統計学

総合科目ですが経済学部の人は必修科目となります。合計4回のレポートがあり、かつ試験は全体から網羅的に出題されるので、テキストの通読は必須となります。とはいえ、計量経済学や経営数学など経済学部の専門科目を学ぶ上で大事な科目となりますので、ここは楽に単位を取ることは諦め腰を据えてしっかり学びましょう。そのほうが後々を考えるとトータルでコスパがいいはずです。

数学(基礎)

もともと高校時代から数学を得意科目としていたこともあり受けてみましたが、基礎と名のつく割に難易度は高めです。それをレポートの段階でひしひしつ感じつつも、一度科目試験は受けてみましたがまったく刃が立たず。単位取得自体を断念した科目です。ですので記事にもしていませんが、レポートはテキストの各章末にある問題と類似した問題が網羅的に出題される形式でした。

 

ここまでが総合科目の3分野科目です。個人的にオススメの単位取得方法ですが、特別課程の場合は認定18単位が総合科目に充てられ、3分野科目のテキスト単位はそれぞれ4科目が必須となっています。ゆえに、4単位科目をそれぞれテキスト科目1単位で取得し、それ以外は自身の得意分野のスクーリング科目を取得することをオススメします。コロナ禍の代替レポ対応という特殊事情を除き、基本的にはスクーリング科目のほうが単位取得のコスパがいいので、スクーリングでさっさと取ってしまって専門科目にパワーをかけたほうが全体効率がいいと考えられるためです。つまり特別過程では、48単位(総合科目全体)-18単位(認定)-8単位(外国語)-12単位(テキスト科目)=10単位をスクーリングで取ればいいということになります。ちなみにスクーリング上限は12単位なので問題なしです。

 

英語Ⅱ

基礎的な問題なので特にテキストを使わずとも普通に解ける感じ。とはいえ普通にミスはしていたけれど、採点は甘めで多少ミスがあっても基準点超えてれば合格いただける感じです。

英語Ⅰ

課題にある英文を和訳したり要約したり。英文はわりと有名なものが使われているので、分からなかったりしたらググったり、Google翻訳を使ったりしてがんばって読み解けば割といけます。 

英語Ⅲ

レポート自体は難しくなく、単語のアクセントを書かされたり、テキストの所定の場所の和訳を求められたりする形式でそこまで手間はかからないかも。

 

英語に関しては慶應通信の中で壁になりやすい科目ですが、ことレポートに関してはそこまで難しいものではないかと。問題は科目試験で、科目試験についてはしっかり英語の勉強をしないと対策できないと思います。(自分の英語Ⅲは謎のままですが)

 

経済原論(ミクロ経済学

個人的には総合科目の経済学とあまり変わらない感じ。課題の難度や採点の辛さに若干差はあるのかもしれませんが、実感はなかったです。

経済原論(マクロ経済学

一発で合格したものの課題で問われることが大口で、解答には場合分けが必要になる感じ。なので、レポートの書き方には工夫が必要でボリュームも比較的多め。ミクロに比べると難度が高いので、個人的にはミクロ→マクロの順番で履修するのがオススメ。

財政論

視点が国となるのでその認識と、あとはテキストをしっかり通読すれば問題なしかと。個人的にはスクーリングとの親和性が高かったので、スクーリングを取れば苦もなくレポートが書けてしまうかと。これは保険学でも同様に感じたことです。

経済史

とにもかくにも指定の参考文献(高額)を集めるのが大変。自分の場合は2回目で合格しましたが、不合格の際のFBで指定文献をすべて使うよう言われたので、都内の図書館を駆使してなんとかすべて(3つ)揃えた感じです。すべてを反映するのは難しく一文加えただけの文献もありますが、それで合格できました。

金融論

テキストは非常に読みやすくわかりやすいですが、レポートの課題はそれだけでは溶けない仕様になっているので参考文献が必須です。面倒ですが、課題に合致する参考文献を探して借りて(買って)レポートの解答に結びつける工程が必要です。

経済政策学

シンプルで一見容易な課題に見えつつも実は奥が深い良質な問題であることが多いです。理解力をしっかり問うてくるので割と時間がかかると思います。解けない場合はしっかりテキストを読み返してチャレンジしたほうがいいかも。合格したときには力ついてます(多分)。

経営学

楽しめたレポートでした。楽しかったゆえに恐らく今までで一番文字数が多かったレポートかもです。自分で好きな企業を選びその企業に対して解答できたので、好きな企業を選び、その企業の社長(設立者)の自伝を読み、有報を読み、完成させた感じです。

 

上記7科目は、経済学部の専門必修科目です。避けて通れません。がんばれとしかいえませんが(笑)、これら7科目と統計学をパスするとあとはだいぶ楽になる印象です。

そして以下は専門選択科目なので、ご自身の好みや得意分野に合わせて効率的に履修したら良きかと思います。得手不得手はさておきコスパ重視であれば、地理学3科目(地理学Ⅰ・Ⅱ、人文地理学)はオススメです。

 

簿記論

仕訳と試算表が作れれば問題なし(簿記3級程度?)。ただし、採点自体は厳しく1問でも誤りがあると不合格になる。あとレポート課題集にある専用用紙を使わなければならないため、不合格がかさむと都度事務局に専用用紙を送ってもらわなければならない。

経営分析論

テキストの中身はやたら古いけど、レポート課題は近年の企業動向やトピックなどに沿って作られており、科目試験も同様。まあ収益性や効率性、安全性などの経営分析指標は昔ながらのものだし、それが基礎なので別に問題なしですが。

原価計算

自分の場合は伝統的原価計算の領域から課題が出題されたので、テキスト+原価計算基準でいけました。管理会計分野から出題された場合は、必要な情報を参考文献やネット情報から集め、肉付けしたほうがいいかと思います。 

新・会社法

アプローチは課題によると思いますが、自分の場合は法改正の趣旨を問われたので、ネット情報を駆使してその背景を調べ自分の言葉でまとめました。条文の解釈や事例などが課題になった場合は、アプローチが異なるかと思います。

保険学

3つの課題から自分が解答しやすいものを選びますが、個別のトピックを取り上げるものより、テキストを広くまとめる内容のものが解きやすいかなと個人的には思いました。保険学の基礎的な市販書は章立ても内容も割と類似しているので、解答する内容を複数の市販書を用いてまとめ上げればOKかと。 

経済法

課題に対して、テキストにドンピシャの箇所があるのでそこを参考に解答を作ることができればOK。さらに判例集(テキストに対象の判例が載っている)を使って肉付けすれば良し。

商業学

難解な流通原理の部分はテキストを使ってうまくまとめ、マーケティングの部分はネット情報を駆使しつつ自分の言葉でまとめられれば。自分の場合は自身で企業を選んで解答するスタイルだったので、割と自由度高く楽しく臨めたレポートでした。

会計学

この科目は会計学ではなく、会計史に近いです。それが顕著に表れているのがレポート課題。現在の会計の考え方や原則、基準がなぜそうなったのかを歴史的見地から答えさせるようなもの。シンプルに現在の会計学の基礎を学びたい方はスクーリングの会計学のほうがいいです。

会計監査

会計学と同様になぜか歴史を問われる。こちらでは会計学ではなく会計士の。テキストや科目試験とは切り離して、合格できる必要最低限の品質水準で対応すれば良きかと。シナジーないので。

地理学Ⅰ

割と経営論よりの内容で、地理学Ⅱや人文地理学に比べると経済学部の人は与し易いかと思います。地理学のテキストは基本薄いので通読で、あとは課題に対して参考文献を使って肉付けすればOKかと。 

地理学Ⅱ

地誌学の領域になるのでちょっと他の経済学部の科目と比べると色合いが異なりますが、テキスト+ネット情報だけでレポートが作れるのでコスパはいいです。

計量経済学

統計学で学んだ知識が活かされます。Rという統計分析のソフトを使うため、分析結果に対する所感は求められるものの、割と作業的に進められます。ただし、テキストの通読は必須です。

人文地理学

テキストを通読して該当項目をレポートにまとめる。あとは、関連する現在の話題をネット情報から取り上げて肉付けすれば良きかと。

 

すみません、長くなりすぎたので途中から少しダレてしまいましたが、、何か聞きたいことがありましたらコメントいただければ幸いです。記事は時間があるときに体裁整えておきたいと思います。