東京、14年。

慶應通信(経済学部)に入学、卒業までの軌跡を綴っています。

慶應通信、卒論ことはじめ ~テーマ選定~

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卒論についてブログではあまり記事にしていませんが粛々と進めています。いまいま自分のステータスは、2020年4月に卒論指導登録、10月に秋期卒論指導(予備)、そしてこれから2021年5月に春期卒論指導(本指導)の予定です。卒論に取り組むにあたって最初にやらなければならないことは「テーマ選定」です 。テーマさえ決まれば卒論の8割は終わったも同然と聞きますが、そこはまだ自分自身道半ばなので何とも言えず。入学当初から漠然とでも卒論としてやりたきことが決まっていればいいですが、皆が皆そうではありませんよね。自分も入学当初から卒論に着手するまでやりたいことはまったくイメージなく、単位数を重ねても自然と見えてくるものはありませんでした。そんな中でどのように卒論のテーマを探り、選定するのか。その点を自分の経験からシェアできればと思います。なおテーマ選定の前段として論文の書き方についてノウハウ本等を読まれる方もいるかと思いますが、卒論指導まで来ている方は単位を一定積み上げており相当程度レポート量をこなしていると思いますのでそこは割愛します。 

 

ここでは自分が卒論テーマを選定するにあたり行ったことを粗々で載せています。人それぞれと思いますので、あくまで1つの事例としてご理解ください。

 

情報探索の前にまずは「三色旗」を確認

どのようにテーマを決めるかに関わらず0からテーマ選定をするには、前提として多くの情報に触れるしかありません。そのためにいろんな情報を探索する必要がありますが、まずはアウトプットするテーマがどのようなものであればいいのか事前に知っておくと出戻りなく効率的です。そのために三色旗の毎年6月、12月号に記載されている慶應通信卒業者の卒論テーマ一覧に目を通すことをオススメします。見れるのはタイトルだけですが、そこからおおよそのテーマを推測できます。これを知ることで、これから定めるべきテーマや卒論内容のイメージと粒度を掴むことができます。また、その卒論を担当している教授も載っているので、テーマ選定後の教授選びにも役立ちます。

テーマ選定のアプローチ

ここでは自身の経験のみならず、SNSやネット、慶友会で得た情報も含めさまざまなテーマ選定のアプローチを紹介します。なおこれらはどれが正解・不正解もなく、また単独でこなすアプローチではなく複合的に組み合わせて並行して進めるイメージです。いまいち流れのイメージがつかない場合は、下記の切り口ごとに探索、自身の経験を掘り下げていくと見えてくるものがあるかもしれません。

 

  1. 教授の学問領域から
    少々作業的な視点での切り口ですが、そもそも自分がやりたきことを領域とする教授がいなければ卒論は書けません。仮に教授のアドバイスがいならくとも誰かには担当してもらわなければならない以上、卒論テーマは必ず教授の学問領域から外れていないことが前提となります。まったく卒論テーマが決まっていないのであれば、教授の学問領域を眺めつつ、自己の興味や疑問点を洗い出し、テーマを生み出すのは効率的かと思います。教授の学問領域は、下記のサイトから閲覧することができます。

  2. 自身の得意な科目、強みとなる領域から
    卒論指導に進むまでにある程度の単位を取得しているかと思います。専門科目を履修する中で、自身の得意な科目がある方はその科目の内容から興味や疑問点を掘り下げていくのも一手かと。また、そもそもその前段として自身の強みとなる領域があるならそこからアプローチをするのもいいかも。その領域周辺の専門書を読み漁りつつ良い材料を収集していきましょう。なお、あえてここを外すという方もいるかと思います。自分もそうでした。

  3. 自身の興味のある領域から
    これは大前提にもなりますが、得意・不得意関係なく自身の興味のある領域を掘り下げていくのもいいですね。卒論に携わる時間は長くなりますので、興味のないテーマだと途中で辛くなってくるかと思います。ただし慶應通信をやってる方は基本的に好奇心旺盛な方が多いと思っているので、調べれば調べるほど興味が広がって結局テーマが定まらないってこともあるので要注意。

  4. (働いている人は)仕事と関連した領域から
    これはちょっと商学部のテーマ選定に寄った切り口となりますが、働きながらの人は基本的に仕事に携わっている時間が最も長いと思います。したがって仕事の中での興味や疑問点が最も生まれやすいと言っても過言ではないかと。普段の仕事の中で感じる不満や違和感、これらを理論に落とし込んで何がおかしいのか、どうあるべきなのかを考えてみてはいかがでしょう。理論と実務の間には必ずギャップがあります。このギャップが生じるのはなぜなのか、そこに自身の興味が湧くテーマがあるかも知れません。

  5. 苦手な領域・弱みを克服したい領域から
    卒論で設定したテーマ周辺の知識は、論文に落とし込む上で必然的に深堀りし理解力をつけていくことになります。苦手な領域や自身の弱みである領域はきっかけがなければなかなか克服しようとは思えません。思ったとしても行動に移せません。そのために卒論を1つのトリガーとして、あえて苦手な領域や弱みを克服したい領域でテーマを選定するのもするのもありだと思います。

 

いつもアンテナをはっておくこと

情報探索のアンテナを張っていると、実は普段の生活の中で無意識にさまざまな情報に触れさまざまな疑問を感じていることがわかります。友達や同僚との何気ない会話や普段の仕事の中で疑問になったことはメモ書きしておくといいかもです。自分も同僚との飲みの席での会話がトリガーになり、過去の経験を振り返っていたら共通の疑問点が見つかり、それを掘り下げて卒論テーマを決めました。

 

希望教授が決まったら「好み」を確認

これは自分ではできていなかったのですが、一発で本指導に持っていきたい、極力短期間で卒業したい、という方には必要な視点かと思います。
kcc-channelには「卒業論文の手引き」なるものがアップされており、そこでは何人かの教授が卒論に対して「こういうものだ」と個別的見解を述べています。理論上、論文の構成や内容はロジック欠陥がなければ問題なくサクサク進むと考えられますが、教授という「ヒト」が携わる以上ロジックだけでは合格点がもらえない可能性があります。これは仕事でも同様で、教授に限らずヒトが関わる以上不合理は付きもの、好みがあるのは当たり前。ここで言いたきことをまとめると、大軸は自身で決めたテーマとするも可能な限り「教授の好みに寄せる必要がある」ということです。つまりそのための情報収集も必要です。また、テーマと教授の相性が悪いと担当を変えられる可能性もあります。それだけで半年卒業までの期間が延びるので、事前に教授にアピールできる要素を作っておくべきです。

 

テーマ案が決まったら論文構成をイメージしておく

これも自分はテーマ選定の段階でできていなくて作成段階でやっておけばよかったなと思ったことです。当然テーマを決めた後はそれに沿って論文を作成していくのですが、テーマによっては理論形成や実証の条件や手法が非常に複雑で難解、手間がかかることがあります。サクッと卒論をすませたい方は、設定したテーマで一旦卒論の構成をイメージし、どの程度のリソースがかかるかを予め見立てておくことをおすすめします。テーマとして成立したとしてもいざやってみるとむちゃくちゃ手間がかかる、ということにならないように。まさに自分はこれにハマった感じです(笑)。実証で効果を測定するための抽出条件の設定に手間がかかりすぎ…( ´Д`)=3

 

卒論テーマを決めるって難儀ですよね、ほんと産みの苦しみと言いますか一筋縄では行かないと思います。テーマが決まっていない方は、割と時間がかかるということを想定して早めにテーマ選定について考え始めることをおすすめします。