東京、14年。

慶應通信(経済学部)に入学、卒業までの軌跡を綴っています。

慶應通信の卒論振り返り

f:id:tokyo-14:20220128181708j:plain

振り返りはなるべく早くやったほうがいいのでざっと書きなぐっておきたいと思います。自分は卒論指導を合計3回、半年に1回ペースで実施されるので完成までにおよそ1.5年かかった計算です。例外(稀に2回で終わる人もいるらしい)を除けばおそらく最小回数で卒論提出までたどりつけたケースかと思います。とはいえ1.5年の間まるまる卒論に注力していたというわけでもなく、効率的に卒論を進めるにはどこで卒論に注力するべきか、このパワー配分が大事かと思います。

 

※ あくまで自分のケースをもとにした個人的な振り返りです

結論:パワーをかけるべきは「テーマ決め」と「2回目指導」のタイミング

改めて自分がどのタイミングで卒論に注力していたかを振り返ると下記の図のような感じでした。大きな山は2つ、1回目指導の申込タイミングでおこなうテーマ決めと卒論の全体を書き切った2回目指導のタイミングです。

f:id:tokyo-14:20220129094130p:plain

指導申込のタイミングでテーマと構想をしっかりと定め、全体構造含め1回目指導の際に必須で確認すべき論点をしっかり確認できました。また、2回目指導で粗々ですが卒論全文を準備し、文章構成と組み込むべき内容を教授と完全に握ったため、それ以降はあまりパワーもかからず細かい論点の修正や肉付け程度ですんでいます。
ただし、早い段階で論文全体を書き切るにあたっては、まったく論点がズレていたり理論が破綻していたら全差し戻しを食らう可能性があるので、そこは1回目指導でどこまで確認できているか、また自身の論文の骨子をどこまで理解しているかに応じて判断する必要があります。

では、①~④の期間を対象に個別振り返ります。

① テーマ選定に注力する、1回目指導で指導教授の塩梅を把握する

要件充足と同時に卒論指導登録を実施、そこから1回目の卒論指導申込までにテーマを選定する必要があります。もともと取り組みたいテーマや構想をもっていたわけでもないのでここで1つ目の山がやってきました。
最初は漠然と、「どうせやるなら自身の苦手な領域でやりたいなー」とか「統計モデル使って実証分析やりたいなー」くらいにしか思ってませんでした。深く思考せず時間だけが過ぎ、結局指導申込期限の8月間近になって真面目に考え始めました笑。
具体的にはマインドマップの手法で自分の思考を整理しつつ、自身がこれまでで疑問に思ったことや「負」と感じたことをリスト化し、それらについて情報収集をおこないました。テーマさえ決まってしまえばおのずと卒論構想(全体構造)が作られると思うので、あとはそれを1回目指導に向けて見える化するだけです。

また、1回目指導は大事だと考えています。確認すべきは、①担当教授の指導方針、②テーマの良し悪し(構想に齟齬はないか)、③卒論構想におけるクリティカルな論点の認識合わせ、です。
自分のケースだと、
①基本的に卒論指導時以外は指導しない(→卒論指導時にすべて確認し切る必要がある)、ゼミ形式で指導する(→ゼミ形式だと時間の都合上確認し切れない可能性あり、2回目指導からは個別指導を希望)、②問題なし、③概ね問題ないものの一部修正指示を受けたのでそこは取り入れる、といった感じでした。ちなみに担当教授の専門領域に応じて全体構造の厚みは調整したほうがいいです。自分の場合は経営管理を専門とした教授だったので理論形成を気持ち厚めにしました。
なお、1回目に限らず卒論指導の内容はその日ないし近日中に担当教授へメールで送っておきましょう。見てくれるかはさておき、認識ズレあれば指摘あるでしょうし、なかったとしても送っておけば証跡になりますので。ちなみに指導ノートにはメール印刷して貼っておけばOKです。

余談ですが、もしゼミ形式の場合は追加の確認点として④最終的な卒論の質、をあげておきます。ゼミ形式だと必ずしも全員が初回指導ではないので、先を進んでいる先輩の卒論指導を拝める機会に恵まれます。そこで先輩方がどの程度のレベル感で卒論を作っているのかが分かれば、今後のパワーのかけ方や進め方の判断がつきます。個人的にはやりすぎずのいい塩梅の着地点設定と次回指導までに卒論すべて書ききっても問題ないとの判断をここで下しました。

 

② 2回目指導までに卒論を粗々で書き切る

卒論指導1回目は予備指導でした。内容どうこうというよりは、初回ゼミ参加者全員がそうだったのでお決まりだったのかも知れません。とはいえ初回から本指導になった方もいるわけで、今思えばここで焦りが生まれエンジンがかかったのが良かったです。

自分の論文は現状分析→理論形成→仮設設定→実証分析→結論とオーソドックスな構成であり1回目指導で骨子は握っていたので、年明けくらいから一気に書き切りました。ここが2つ目の山で、最もパワーがかかった時期です。現状分析のための情報収集や実証に用いるデータ収集に作業的な負荷がかなりかかりました。さらに2万字程度で卒論全体を作り込んだのもこのタイミングです。理論形成の裏付けや統計モデルの選定根拠など、あとに回せるものはあとに回してとりあえずはありものの知識とサクッと調べた情報のみ粗々で完成させました。とはいえ2回目指導直前までかかりました。それを見越して指導日もギリギリまで後ろ倒しにしてもらっていました。

担当教授には指導前にメールでドラフトを送付、直前で初稿を送付、指導ではそのまま続けてOKとの回答をいただけました。1回の指導で一気に書き切るのはリスクがありますが、自分の場合はここで卒論を書き切ったことが指導3回で卒論を終わらせるターニングポイントとなりました。3回目の指導の折、教授から「2回目指導で初稿をもらったとき、もう大丈夫だと思った」と言っていただけました。その段階で卒業できる品質までは持っていけていたようです。
2回目指導はもちろん本指導、ここでいつ卒業したいかを問われたので2022年3月と答え、卒論予定申告許可をいただけました。計画通り!そう、卒論指導3回で卒業するには2回目で予定申告許可を、3回目で提出許可を得る必要があります。1回目が予備指導だったので2回目で予定申告許可を得るのは難度高いと考えていたので、ここでパワーをかけるべきと判断していました。結果的に正解だったと思っています。

また補足ですが、資料としては必要な情報のみが網羅されているものが美しいとされますが、卒論は学生がいかに力をかけて作り上げたかが重要なようです。なので、パワーをかけて調査した結果不要だった内容も記載して「結果として不要でした」とまとめたほうがいいそうです。こうしたところは学生の論文って感じだなあと思いました。多ければいいわけでもないですが、おかげで字数が3万字いきました^^

 

③ 卒論を粗々→完成形に仕上げる

指導2回目でパワーのかかる部分をほぼ済ませてしまったので、この期間はスキマ時間に対応していた程度です。これも計画通りで、この時期は本業の異動があったり、副業が忙しかったり、引っ越しがあったりと忙しい時期と事前に分かっていたので。そういった年次スケジュールのバランスも考え、卒論に臨まれるのがいいと思います。
この時期は具体的には2回目指導のFB対応、あとは後ろ倒しにしていた細かい論点の裏付けや肉付け、あと要約もこのタイミングで作りました。というのも、2回目指導の折に、3回目指導日の2週間前までに完成した卒論と要約を提出するよう指示を受けていたため、その通りに提出しました。

3回目指導自体は30分ほどで終了(というか実質指導は15分くらいであとは雑談)、あとは参考文献の記載方法など微修正を残すのみとなりました。もちろん本指導で卒論提出許可もいただけました。そして2回目の段階でアウトプットに信頼いただいているので、その後は特に何も確認はいらないとのこと。結局、卒業試験まで一切やりとりはなかったです。確認コスト不要でサクッと進められてありがたかったです。

 

④ 卒論の製本をおこなう

3回目指導後は製本作業がメインになるかと思います。3回目指導のFB対応(微修正)、製本に向けた誤字脱字チェック、てにをはチェックありますが、そこまでパワーかかりませんでした。まあ自分の場合は、製本もすべてオンラインで依頼したので作業もそこまではかかっていませんが汗。メールでPDF化した卒論データを入稿して、印刷・製本してもらい郵送で受け取りました。ちなみに利用させていただいたのはプリントショップエイトさんです。慶應通信の利用者が多く担当の方も手際よくサクサクと対応いただけるので、あまり手間もかからず製本と提出ができました。

卒業試験の準備については、もともと教授から説明資料はなくてもいいと言われていたのでいらないかなと思っていたわけですが。。結局作って、作り込みすぎて、ほとんどお披露目する機会なくサクッと卒業試験も終了しました。なので結論、この期間は製本して卒論提出するまでは多少手間がかかるけど、それ以降は最悪何もしなくても問題ないと思います。さすがに試験前に卒論一読くらいはしておいたほうがいいとは思いますけどね笑。

 

以上、再三となりますがあくまで自分のケースについての卒論振り返りでした。そもそも慶應通信の卒論自体、みな一様の手順で進めているものでもないかと思いますので汎用性あるところはご参考いただければと思います。ではでは。